五輪ゴルフ会場は若洲に変更すべきと改革会議が会見

2017.1.24日本外国特派員協会

日本外国特派員協会にて日本ゴルフ改革会議の大宅映子議長、玉木正之副議長、諸星裕副議長、参議院議員の松沢成文らが東京オリンピックゴルフ競技会場問題についての記者会見を行った。

2020年東京オリンピックのゴルフ競技会場は霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県川越市)に決定しているが、改革会議は会場を若洲へ変更するべきであると強く主張した。


霞ヶ関カンツリー倶楽部は、選手村から直線距離でも44km、実際に車で移動する場合は約70kmも離れており高速で1時間半かかること。その移動のために、送迎や警備に巨額な費用がかかる点。そして、会員制のプライベートコースであるため五輪後に一般の市民が利用出来ないことと女性を正会員と認めていない点が五輪憲章にもとること、さらに現地の夏の平均気温が約36度と高い点をあげた。

一方、若洲ゴルフリンクス(東京都江東区)は選手村から6kmと近く東京都所有のパブリックコースであり、五輪後に一般市民も利用できるレガシー(遺産)と出来る点。そして臨海に面しており、平均気温も約32度、海風で体感温度はもっとさがるという。


大宅映子議長は「若洲の場所はもともとゴミの山だった。その頃はメタンガスが出ており、タバコも吸えなかった。その頃のイメージが強くて狭くてとのイメージが強いが今はとても良くなっており、ティーグラウンドを下げることで広さも問題ない。もう一つ重要なことは、パブリックで東京都が持っている点。霞ヶ関はプライベートで超高級、女性は正会員になれない。オリンピックが終わった後に若洲ならすべてのひとがプレーできるチャンスがあるが、霞ヶ関だとそれは出来ない。若洲はバリアフリーになっているし、世界中で環境問題がある中、ゴミの山からこれだけ素晴らしいゴルフ場を作ったということを大きくアピール出来る」と語った。


諸星裕副議長は、「若洲が第一候補になっていたが突然消えて、霞ヶ関になった。 その国のナショナルフェデレーションが決めるのが普通だが、ゴルフのNFはJGA(日本ゴルフ協会)である。 JGAが密室で話したメンバーは霞ヶ関のメンバーである。確かに要件を出して審査の過程を踏んだとしている。 36ホールという要件を出したがゴルフは18ホールあれば出来る。 二つは株式会社が経営している。あとの二つは社団法人が経営している4つの候補を出した。 その理由は、明らかに残り3つは消えるだろう当て馬のような候補だった。 このプロセスを透明度をあげて、説明責任を都民並びに日本国民に示すべきだと考えている。」と霞ヶ関に決まった経緯を問題視した。


玉木正之副議長は、「2020年の競技会場決定の舞台裏というタイトルのJKという慶応高校の卒業生向けの冊子を手に入れた。 この座談会の内容があたかも自分達慶応学閥が決めたというような主張に違和感を覚え、 ゴルフが好きでもないけれどもこの問題に関心を持った。」と組織委員会やJGAの会長が慶応出身者で霞ヶ関カンツリー倶楽部の会員という点から一部の関係者の思惑で決定したのではないかと主張した。


質疑応答の中で、松沢成文参議院議員は、「これまで国会で8回この問題を質問で取り上げている。政府高官からは見直しの話は一切出てこないが、先日、改革会議からIOCのバッハ会長とコーツ副会長に英文で要望書を送った。 その後、政治家の雰囲気が変わった。年明け、組織委員会の森会長からもう一度見直した方がいいのではないかというコメントが出て来た。」と会場見直しを期待した。


果たして潮目が変わるか今後に注目したい。


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